商標、商標登録、登録商標、商標権の用語の意味
2021年3月22日商標に関する話をするときに、「商標」「商標登録」「登録商標」「商標権」という用語(言葉)がでてきます。馴染みのない人には用語の使い分けが難しく感じるかもしれません。
特に「商標登録」と「登録商標」の何が違うのか迷うかもしれません。
これらの用語の意味を説明したいと思います。
目次
商標
商標の定義は、商標法第2条第1項に規定されています。
商標とは「文字、図形、記号、立体的形状、色彩、これらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、事業を行う者が商品・サービスに使用するもの」をいう(商標法第2条第1項)。
文字、図形、記号、これらの結合は、一般的にマークと呼ばれるものです。これが一般的な商標のイメージだと思います。
立体的形状は、不二家の「ペコちゃん」、ケンタッキー・フライド・チキンの「カーネルサンダース」が該当します。これを立体商標といいます。
現在は、色彩のみの商標が認められています。会社、商品、サービスのイメージカラーが色彩のみの商標に該当します。
現在は、音の商標が認められています。インテルのCMで流れる音、久光製薬のCMで流れる音などが音の商標に該当します。
マーク(平面的な文字、図形、記号など)+立体的形状+色彩+音を「標章」といいます。
事業を行う者が標章を商品・サービスに使用するものが「商標」となります。
「標章」と「商標」をそれぞれ定義しているのは、商標法で用語を定義する場合の法技術の問題であって、一般には「標章」と「商標」を区別する必要はありません。「標章」も「商標」もマーク+立体的形状+色彩+音と考えても問題ありません。
商標は、登録されているかどうかを問いません。
商標の詳しい内容は「商標って何?」をご参照ください。
商標登録
「商標登録」は、商標権の設定の「登録」という行政処分のことです。
商標法では、「商標権は、設定の登録により発生する(商標法第18条第1項)。登録料の納付があったときは、商標権の設定の登録をする(同条第2項)。」と規定されています。
「商標登録」も「登録」も同じ意味です。
登録商標
「登録商標」とは、商標登録を受けている商標のことをいいます(商標法第2条第5項)。
商標は「登録されているもの」と「登録されていないもの」を含み、「登録されている商標」のことを「登録商標」といいます。
商標権
「商標権」は商標登録により与えられる権利のことです。
商標権は、商標権者が登録商標を独占的に使用する権利と、商標権者が他人の登録商標又は登録商標に類似する商標の使用を排除する権利を備えています(商標法第25条、第37条)。
ちなみに、「商標」「商標登録」「登録商標」「商標権」に対応する特許法、実用新案法、意匠法の用語は
商標=発明=考案=意匠 (各法の保護対象)
商標登録=特許=実用新案登録=意匠登録 (行政処分)
登録商標=特許発明=登録実用新案=登録意匠
商標権=特許権=実用新案権=意匠権 (権利)
となります。
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